鈴木英之さん

静岡県磐田市で茶園を切り盛りする鈴木さん。自称「小さなお茶農家さん」との事ですが、40カ所以上もの茶畑を管理されています。エコファーマー取得の減農薬農家さんで、茶のテーマによっては完全な無農薬も作られていますし、完熟推肥による土作りには特にこだわりを持ってらっしゃいます。
鈴木さんのお茶はずいぶん前から頂く機会があり、私も知っていましたが、2015年くらいからぐんぐん味が良くなり、驚愕してご連絡したのを覚えています。何が変ったのか?少しずつ紅茶に向けて土壌改良した結果が出てきたのであろうという事でしたが、鈴木さん自身も中国に勉強に出かけ、工夫紅茶の製法を学び続けてらっしゃったことも大きいでしょう。

鈴木さんの紅茶の雑味無く、甘みと深い余韻はその勉強のたまものと思われます。

遠慮がちで自慢めいたことを多く語る方ではありませんが、茶のテーマ毎の畑の管理、細部に気を遣う製法など、お茶に関しての情熱は並ならぬ物を感じます。中国でお茶を作っている時期は、日本でもお茶が忙しい時期とかなり近いですから、何十カ所もの茶畑を管理する側としてはかなりの負担になるでしょう。それでも何度も足を運ばれるということは単なる作業順番だけでない、茶の生産者さんだからこそ感じ取れる何かをつかみ続けてらっしゃるのでしょう。

私が訪ねた時も近所の方のからひっきりなしに電話がかかり、相談やお誘いなど、地域に密着してらっしゃる様子がよく分かりました

様々なテーマでたくさんの人が親しめるお茶から、職人技が光る少量生産のお茶まで、幅広く包容される鈴木さんは、静岡のお茶の懐の広さを如実に物語っていると感じます。