きつき紅茶の美味しい淹れ方

きつき紅茶の特徴は、シトラス系のキリッとした香り、そして収斂性のある爽やかな渋みです。この2つがきれいにまとまっている為にきつき紅茶は和紅茶の中でもいち早く紅茶専門家の間で高く評価されていました。上品で後に残らない、それでいて存在感のある渋みというのは難しいものです。

ではそれを楽しむ為に、必要なのは何かと言いますと、沸いたばかりの新鮮な熱湯。そして意外だったのですが、軟水よりも少しミネラルを含んだ中硬水の方がより美味しく入ります。一般的に爽やかな香りは軟水の方が引き出せると言われていて、私もそう思ってきつき紅茶は軟水がおすすめ、と言ってきましたが、私が阿南さんを訪ねて飲ませてもらう紅茶はいつもうっとりするくらい香りが高く、美味しいのでどうやったらこの味が私も再現出来るのだろう?と思っていたのですが、気をつけてカップを覗いてみると、ややくぐもった水色していまして、カルシウムの多いお水と言うことが分かりました。それ以前も水色については気がついていたのですが、光や器の関係かな?と見過ごしてしまっていました。お店で実験したら、確かにその方が香りが立ちます。なぜそうなるかは分かりませんが。

という事で、もし手元にあれば、水道水に硬度の高いお水を加えるといいでしょう。

渋みはほどよく出た方が、きつきらしさが出ていいのですが、好みですので、時間で調整されて下さい。3分近くになると結構渋みは強くなります。基本的には大きめの茶葉ですので、ピリッと渋みが立つ方が好きな方は3分半か4分くらい置いてもいいと思います。とにかく、ある程度までは時間に比例して渋みが出ます。

濃いめに淹れて、お湯を指して楽しむ、いわゆるイギリス式の淹れ方は適しません。きつき紅茶は渋くなりすぎた場合、ダージリンと同じくお湯で薄めても「薄くて渋い」紅茶になるだけですので、渋みを止めたい場合は茶葉を漉してしまいましょう。同じく、濃いめに淹れたところでミルクティーには適しません。ストレートでどうそ。意外にアイスティーも美味しいですよ。