「雫」「俊麗」(2024.5)
どちらも茨木県猿島の花水さんの春摘みで、品種違いです。どちらもフレッシュな仕上がりですが、飲み頃は恐らく今年の12月中旬以降と思われます。雫はグリニッシュな、俊麗はそれに少し火香が加わりエンドウ豆のような印象があるかと思いますが、それらはだんだん落ち着いてきまして、熟成香が加わると本当にダージリンの春摘のようなオレンジ系の香りに代わっていくはずです。雫はさらに洋梨のような香りも出てくるでしょう。今の香味は今しか楽しめませんが、半分くらい残しておいて年末くらいにまた飲んで見られるのも良いかと思います。ゆっくり熟成していくのは良い紅茶の証拠でもあり、どちらも非常におすすめの一品です。
「杵築紅茶ファーストフラッシュ」(2024.5)
クールで清涼感のある香りと程よい渋みが特徴の杵築紅茶ですが、去年と同様、今年も杵築らしい特徴をしっかり持ってくれました。年によっては複数品種をブレンドすることで香りを出しますが、今年はべにふうき100%となっています。3分抽出ですと渋みも出ますが、それが杵築の魅力でもありますので、お好みで時間は調整されていいかと思います。
「たかちほ」(2024.3)
熟成と火入れ焙煎が終わり、ようやく完成になりました。火入れ後少し寝かせた方が良いですが、十分に美味しく飲める状態です。今まで清廉に分類していましたが、滋納に分類を変更しました。雑味を減らすことに重点を置いた仕上げ、品種の特性などを加味して淹れ方、楽しみ方としては滋納の方が適切と判断しました。もちろん、甘い香りは健在で、清廉タイプに分類していいくらいの個性的な香りを持っています。滋納タイプの最高峰に位置する和紅茶として、今後皆様におすすめしていきたいと思っています。