大分県杵築(きつき)市の阿南康児さんの作るべにふうき紅茶の特徴は、なんといってもその柑橘系のようなツンとした香りと、収斂性のある渋み。
ダージリンやヌワラエリアといった紅茶に慣れ親しんだ方にはしっくりくる味わいでしょう。九州で作られるべにふうきには、花の香りの中にパクチーのような、独特のスパイス感を含んだ紅茶が多いのですが、阿南さんの場合はそれが嫌味に感じず、グレープフルーツやシークアーサのような、上品さをまとった刺激で、渋みさえも心地よく感じます。
クールな味わい、とも言われる鋭い味わいは、場合によってはスィーツとの反発する味わいになりそうですが、香りの相性が良いためか、意外に柑橘との苦みと良い混ざり合いをすることが多く、大分県名産のカボスを使ったお菓子などには本当によく合います。
年度によっては花の香りが強くなったり、もう少し地に近いバラ系の香りをまとう年もありますが、鋭い柑橘系のバランスになるよう、毎年ブレンドとロットのセレクトに腐心しております。
柑橘、白から黄色の花、およびフルーツに相性が良いです。
渋みは強くても、ミルクティーにはできません。が、ペアリングとしてはミルク系に合わせることもできます。単に乳製品、というよりも、やはり柑橘やフルーツなど、爽やかに仕上げてあるときの方が合わせやすいです。