滋納タイプの典型的な形。緑の要素も低いレベルで残っています。その要素はほぼ消えてしまうか、花やかさとして残るのが理想ではありますが、その少し残った緑の部分が日本人にとって懐かしさや安心感を与えてくれるのも事実。あんこ系の和菓子にあいますが、柑橘やフレッシュな青みのある食事に合わせるとその部分で相乗効果が起こってしまい、雑味や青臭さの原因となってしまいますので、マップ的に地の方に位置するものと組み合わせるのが基本です。
渋み、苦みもそのマップ的に天の方に位置する場所で存在し、お水によってはそこが強く出てきてしまいます。硬水で淹れるのがおすすめの和紅茶ですが、一般論として軟水はマッピングの天の方を引き上げやすく、硬水は地の方の要素を引き立てやすくなります。もちろん水のPHや鮮度も関わってきますので一様に考えることはできませんが。
嬉野の場合は、その性質を利用し、硬度やアルカリの高い水で淹れることで、天の部分を引き出さないようにし、地の部分の要素を引き立てることで、「嬉野紅茶らしさ」をより引き出せます。
嬉野のお店は佐賀市内と違い、軟水ですがPHが高いので、嬉野の魅力をより引き出してくれるようになっています。やはり地元の水と相性が良いのですね。
私のお店がある佐賀市内は軟水ですので、すこしミネラルを足して調整しています。
テクスチャマッピングで見れば、地に近い黒あんを使った和菓子、醤油などの煮物、熟成したものや長く煮込んだり寝かせたものが良いでしょう。
チョコレートも合いそうに見えますが、どうしても残る緑の部分の要素が、カカオの苦み、渋みを引き出してしまいますし、場合によっては豆くささも出てしまいます。
やはり和の要素のものが相性がよさそうで、それは嬉野紅茶で使っている品種が緑茶品種であることも関係があると思われます。
逆に、アッサム系の血が入った紅茶品種で緑の要素が残っている場合は、フルーツやオリーブオイルなどにも相性がよくなりやすいです。