九州本土の最南端近く、鹿児島県大隅町で紅茶を作られている後藤さんの紅茶。ここは土壌が少し変わっています。桜島の火山灰が降り積もった土地でもあり、海底が隆起してできた土地でもあります。そのため、山の傾斜はきつく、白い砂混じりの土壌で土砂崩れもよく起こる土地です。
その土壌が影響しているのでしょうか?後藤さんの紅茶は他にはない個性があります。力強い味わいは鹿児島の温かさとべにふうきという品種の相性からくるものでしょう。華やかさ、清らかさがバックグラウンドに潜みつつ、シナモンやジンジャーを思わせる個性もあります。発酵も程よく進み、熟成感も12月ごろから出てきまして、この頃からこの紅茶の約1年間が飲み頃と思っています。
若い香りからバラ系の紅茶らしいかおり、樹の幹のようなウッディーな香り、ナッツ系から熟した感じまで、幅広く交じり合っている印象です。
そのため、淹れ方や水との相性で引き出すポイントが変わってくるのが楽しい紅茶でもあります。
私は後藤さんの紅茶にはどっしりとした力強さとコクを求めていますので、アルカリ性の水や、中硬水で淹れることをおすすめしていますが、軟水でキリっと淹れる人もいるようです。
いずれにしても、鋭く重い渋みも持っていますので、しっかりと甘みのあるお菓子、お料理と合わせる方がいいでしょう。それこそ、鹿児島の味付けであればほとんどの料理にぴったりあいます。
生臭さを消したりする効能があるのもこういったタイプの特徴です。望蘭タイプでフルリーフの和紅茶として代表格といえるかもしれません。
抽出等を工夫すれば、チョコレートにばっちり合う可能性は持っています。チョコケーキには相性いいです。
洋酒につけたドライフルーツ、煮物、ナッツを使ったお菓子、発酵したもの、などが合わせやすいでしょう。発酵、熟成という事で、焼酎やウィスキーとも合わせやすいです。薄く淹れてチェイサー代わりにどうぞ。