国産紅茶の現状

明治から昭和にかけて、一時は数千トン単位で海外に輸出されてきた日本産紅茶。
海外との輸出競争に敗れ、一時期は統計上ゼロになった時代もありましたが、一部の熱心な生産者達が技術を受け継ぎ、細々ながらも生産をされてきました。
2000年頃から、再び国産の紅茶が注目されるようになり、2016年現在、全国で日本の紅茶は生産されるようになり、600ほどの生産者がいると言われています。

現在の産地の状況などは、地紅茶サミット世話人会の皆様が調査されています、「全国地紅茶マップ」というもので確認できます。
和紅茶という言葉の生みの親でもあります、赤須治郎さんのHPで見る事が出来ます。
http://www.wakocha.jp/

これによりますと、2015年11月の時点で、45都府県、566ケ所で紅茶が作られています。もちろん、その中にはごく少量のものもあれば、静岡や鹿児島にいらっしゃるような、大量に生産されている生産者さんも全て含んであります。
2014年までは、マップに販売しているお店や喫茶が出来る場所もカウントされていましたが、ここ数年の動きで和紅茶を販売、喫茶をされるお店が飛躍的に増加したため、2015年より産地のみの表記になりました。
それほどに和紅茶という存在が皆様にとって身近なものになりつつある、という事でしょうか。

農水省の統計では、2014年の全国の紅茶生産量は122t。とあります。
統計を取る機関によって変動はありますが、2000年代後半から急速に伸びているようすが分かります。
近年は大手の商品ラインナップにも和紅茶が登場し、珍しさが売りだった商品から脱皮し、品質やコストパフォーマンス、生産者の個性などが重視される商品へと変化しつつあるのを感じます。

毎年開かれている「全国地紅茶サミット」では、2012年の岡山サミットから、2015年の下田サミットまで、毎年数千人の来場者があり、ここ数年の紅茶への熱の高まりを感じます。
2016年は12月上旬に奈良県での開催です。皆様ぜひ和紅茶の新しい空気を感じ取ってみられてはいかがでしょうか?