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嬉野紅茶の美味しい淹れ方岡本(くどい)バージョン

2009年12月24日

最初に断っておきますが、下記は「今は美味しい紅茶が飲みたい!」という時の入れ方です。
私も寝坊癖がありますので。朝からこんな入れ方はしていません。
適当に急須に葉をいれて適当に電気ポットのお湯をいれて、「もういいかな?」くらいのタイミングで飲んでます。寝起きはこれくらいの適当な紅茶が逆に美味しいんですよね。
皆さんも難しく考え過ぎないようにお気をつけ下さい。

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最近人気が上昇してきました嬉野紅茶。
緑茶品種を使った紅茶らしい、ほのかな甘み、余韻の残る滋味は和紅茶の中で「滋納(じな)」と呼ばれるタイプの代表格。
阿久根紅茶、月ヶ瀬紅茶、静岡紅茶など、他の紅茶にも応用が利きますので、ぜひお試し下さい。
ちなみに、下記の入れ方は当店の嬉野紅茶の場合です。嬉野にも沢山の生産者がいらっしゃいますので、また違う味わいがあるでしょう。各自で微調整お願い致します。

1.宝瓶(ほうひん)を使います。もちろん、家にある急須でも大丈夫。普通のティーサーバーでも大丈夫です。ただ、ポットが違えば同じ分量の葉やお湯を使っても味が変わりますのでご注意を。(※1)

2.まずは宝瓶にお湯を入れて温めます。お湯は出来れば水から沸かしたばかりの新鮮なお湯を。沸かしなおしたものや、時間が経ったお湯だと、香りや味わいが落ちてしまいます。

3.同じ葉でも常に味は変化しています。嬉野紅茶は夏から秋にかけて少し渋みが出やすく、冬からはまろやかさが増してきます。(※2)
渋みを感じるときは葉を少なめ、もっと味を強くしたいときは葉を多めにしますが、嬉野紅茶の場合、平均すると150cに対して2.5〜3gといったところでしょうか。ティースプーンで軽く一杯くらいです。

4.雛守(ひなかみ)をかけてしばらく置きます。時間は長い方が美味しいです。青っぽい生臭さを感じるような時は、時間が短い時に多く感じられます。最低3分、出来れば5分にしたいところです。※3
時間が許すなら20分くらい置いてましょう。敢えて長く紅茶を置く事を「座らせる」(※4)と言いますが、長めに座らせると逆に渋みは減り、うま味が増します。雛守をちゃんとかぶせていればそれほど温度はさがりません。逆に飲むのにちょうど良い温度になりますので、茶杯をしっかり温めて注ぐと良いです。

5.時間が来たら茶漉しで葉を漉しながら、紅茶を全て茶杯に注ぎきります。茶杯が小さいなら、良く温めた別の急須に移します。これは宝瓶の上部は紅茶が薄く、下部は濃くなってますので、濃さを均一にするためです。いくつかの茶杯に注ぎ分けるときは味が平均化するように2往復(※5)ほどするようにして調整しましょう。

6.後は美味しく飲んで下さい。嬉野紅茶に合いそうなおすすめのお菓子は、羊羹、みたらし団子などでしょうか?味が強めで、動物性(クリーム、バター、卵など)が少ないものが一般的に合います。卵もちゃんと火が通ったものなら大体合います。
苺のショートケーキ、スコーン等はあまり合わない場合が多いです。カステラは合わないと思ってましたが、やってみると美味しかったです(※6)

※1 同じ分量でもそのポットの材質、使い込み具合、形状、普段の使い方などでびっくりするほど味は変わります。容量1000ccのポットに注ぐ150ccと、容量200ccのポットに注ぐ150ccは全く違うものになりますし、細かく言い出すときりが無い反面、せっかくなら美味しく入れて欲しいという気持ちも当然あります。
最終的に「基本を踏まえた上で皆様なりにアレンジして下さい」となる訳です。

※2 嬉野紅茶に限らず、緑茶品種で作った紅茶のほとんどは、完成して約半年ほどしてからが渋みが取れ、まろやかになってきます。焼酎や梅酒が完成してすぐはピリピリするのと同じです。初夏に作られた紅茶は、晩秋くらいから味がよくなります。理想的には1年くらい置いた方がよりまろやかになります。

※3 ちなみに、時間を5分おいても、先述の異臭がある、もしくは逆に異臭が強くなっている場合はその紅茶の製法自体が間違っている可能性があります。残念ながらそんな紅茶が国産紅茶の場合、多く見受けられます。当店の紅茶は厳選しているつもりですので、そんな事はないと信じておりますが、難しいのは「フレッシュで若々しい緑の香り」と「青臭い」の違い。要するにそれが美味しいと感じられるかどうかなんですが、これは個人の好みも関わったりして難しいところです。「ダージリンファーストフラッシュなんて全然美味しくない!あんなもの紅茶じゃない!」と断言する紅茶のプロもいますし、好みといえばそれまでだし、かといって好みを超えたレベルでの品質判定をいうのも我々の仕事でありますし・・日々悩んでおります。

※4 別のコーナーでも書いてますが、日本の紅茶の多く、まれに海外紅茶でも時間を敢えて長〜く置くと渋みが減っていく時があります。理由は良くわかりません。国産紅茶の、特に緑茶品種を醗酵させた紅茶は、時間を長く置いた方が美味しい場合が多く、よりまろやかでうま味が楽しめます。
長く置く事を「茶を座らせる」長く置く事で和紅茶が美味しくなる現象を「熟座」と言ってます。「このお茶、もうちょっと座らせるといいかもね〜」なんて使ってみて下さい。

※5 ちなみに、1往復して最初に注いだカップに戻って来た時点で、全ての器で味も量も均等になっていると、すごく気持ちが良いもんです。

※6 これまた難しいのが、同じお菓子でもお店によって味が違うので断定が難しいのです。特にスコーンはさっくりしている伝統的な仕上がりもあれば、しっとりしたものもあります。さらにはジャムとクローテッドクリームをつける、という伝統的な食べ方をすればこれまた随分違ってきますし。でもまあ、その場合はアッサムでイングリッシュミルクティーを作った方が美味しいでしょう。
お菓子の味で紅茶も微妙に味を調整出来ればさらに理想的です。

特選天の紅茶

2006年6月4日

ある日水俣の天野茂さんから紅茶が届いた。何でも天の紅茶の中でも出来の良い葉だけを集めた上級品らしい。 早速飲んでみる。ん!なるほど。香り重視の紅茶。私好みである。しかし、紅茶ファンでは意見が分かれるかな?
とにかくミルクティーには合わないだろう。普通の天の紅茶と違ってあの不思議な甘みは消え、花のような香りが漂う。 紅茶は渋くてコクがあって、ミルクに負けないものが真の紅茶だ、とする人には気に入られないだろう。
しかし、さっきも言った通り私好みだ。試しに中国茶風に入れてみる。
最近流行の茶芸風に入れると香りがとてもよくなる紅茶ってのは良くある。たとえばダージリンやネパール。ウヴァはいまいちだったな。 アッサムも一部いい香りがした。コチコチの紅茶ファンは顔をしかめるが、なに、美味しけりゃ何でも良いのだ。 だいたい紅茶だの緑茶だのという分類は便宜上のものであって、確たる境界は存在しない。 まあ、語りだすと長くなるので深くは突っ込まないが・・・。
いろいろ試している内に、聞香杯より、もう少し大きな杯を使ったほうが美味しい気がしてきた。 紅茶風にいれて烏龍茶風に楽しむ。接客するのも忘れ一人悦に入りながら店であれこれと試していた 。う〜ん、しかしこれもどう説明したものか。また変な紅茶評論家もどきが「それは紅茶の正しい飲み方では無い」とか言い出すだろうな。 紅茶風に入れてこの紅茶の魅力をどう引き出したものか・・・。 と考えている内にふと思った。なんで彼らの論理に付き合わなけりゃいけないんだ。なんで紅茶風だの烏龍茶風だのと分けなけりゃいけないんだ?これが一番美味しいと判断したなら、それを迷わず勧めるべきだろ。 それが各生産者からお茶を預かった私の務め・・・・。
という訳で、わたくし岡本が推奨する特選天の紅茶の美味しい飲み方。 今までのやり方がいまいちなら新たな喫茶法を提案するのに何の遠慮をする必要があろうか? もっと美味しい飲み方を発見した人はご一報ください。
もちろん、面倒くさいときは普通にいれてOK。時間のあるときにでも試してください。
ちなみにこの特選天の紅茶は日本の紅茶ではトップレベルの水色の美しさを持ちます。 この色の美しさはアイスティーにも良いかもしれない。寒いのでまた来年にでも試してみます。お楽しみに。
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この美しさを見よ!

特選天の紅茶の美味しい飲み方

2006年6月4日

まず普通のティーポットを用意します。
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カップをあらかじめお湯で温めて、すぐにお湯は捨てます。
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そして紅茶の葉をティースプーンに山盛り1杯を一人分として人数分入れます。
少し葉は多めにしたいので、スプーンが小さかったり、うまくすくえない時は少し足しましょう。
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沸騰した新鮮なお湯を注いでジャンピングさせます。 (私はあまりジャンピングに拘らないのですが、やって悪いことはない)蒸らし時間はやや短め、約2分。
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時間がきたら、カップを二つ用意し、一方にお茶を半分ほど注ぎます。 すぐにそのお茶をもう一方のカップに移し変えます。そのお茶は捨ててしまいましょう。 上の方だけついでいるので味が薄い。
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すぐに残った分をカップに注ぎます。今度はしっかりと最後の一滴まで。 また直ぐに移し変えます。
移した終えた方のカップの残り香を楽しみます。移した方のお茶は当然飲んで味わいます。 残り香は変化していきますので余さず楽しみましょう。もちろん、普通に飲んでもおいしいですよ。