国産紅茶の生産者

杜仲茶 生産者/勝田 氏

2015年9月12日

熊本県芦北町で無農薬で杜仲茶を作り続けて一筋33年という、勝田さんの畑へお邪魔してきました。

なぜ杜仲茶を始めようと思ったのか

勝田さんは19歳から全国を回り、色んな仕事を経験されました。
その中で北海道で勤めた酪農での経験に影響され、自分も広大な土地で酪農をやりたい!と強く思うようになります。

20代の時に九州で広大な土地を買い、谷間の部分を埋め立てて平たくし、そこで営農を始められました。
「そこが良くなかったのです。本来山だった土地を無理に平地にしたため、水の流れが変わってしまい、下流で土砂崩れが起こっていまいました。自然に反することをやってしまったのです。結果、多くの人にご迷惑をおかけしてしまいました」

かつて、勝田さんが牧場を開いた土地。
△かつて、勝田さんが牧場を開いた土地。

その経験から、より自然に近い農業をめざし勉強して再起を図っているところに杜仲の木と出会います。

「人間の歴史よりはるか昔から存在し、大きな環境の変化にも対応しながら生き続けてきた杜仲に心を惹かれました
より自然を活かした、ものをこの地で始めたい、と思ったところでしたので、この力強い杜仲は魅力的でした。当然農薬も与えず、肥料も最低限にしか与えません。かつて私がやってしまった事の、真逆をやるように心がけています」

長野県の先生から杜仲の育て方なども教えてもらい、始めたのが30歳のころ。
それから33年、無農薬の杜仲茶一筋に生きてこられました。

私が畑に伺ったのは、ちょうど大型台風が九州に猛威を振るって一ヶ月も経っていないころ。まだ山のあちこちには台風の爪痕が残っていました。

杜仲の葉も、かなりの数が風で飛ばされてしまったとのこと。それでも、青々とした葉を沢山つけた杜仲の樹が元気に育っていました。
畑では、3000本弱の杜仲の樹が植えてあるそうです。

収穫の時期は10月ごろ。手で摘み、天日で乾燥させた後、最後に専用のドラム式乾燥機で乾燥させ、
自宅の土蔵で熟成させます。この土蔵は年間ほとんど温度変化がなく、理想の保存状態を保てるようです。
実際私が訪れた時も、土蔵の中からは非常に涼しい風が吹いてきました。

ひんやりとした土蔵
△ひんやりとした土蔵

熟成期間は3年から5年。5年でほぼ完熟の状態となり、丸釜を使い、直火で火入れをいていきます。やはり熟成させることによって味はまろやかになり、深みがでるということ。
栄養成分も、失活することなく、豊富に保たれています。

火入れ用の丸釜
△火入れ用の丸釜

杜仲茶を育てて30年以上、楽しかったですか?

という私の質問に、

「楽しいというよりも、杜仲そのものが自分の目標みたいなもんでした。人間が誕生する遥か昔からあって、色んな自然環境の変化の中でも生き延びてきた。」
「そして、調べれば調べるほど、人間の体にも良い働きを沢山持っていてくれる。
時代が変わっても、人間が求めるもの、必要なものって変わらないと思うんです。そんな杜仲茶を自分の師と思って生きてきました」
「まだ沢山販売出来る、というようにはなれていませんが、自分が本当に杜仲の樹みたいに、力強く、自然のままになれた時にそうなるんじゃないか、と思ってますよ」

一つの作物にこれほど自分自身を重ね、一途に取り組んでらっしゃる人はそういないのかもしれません。

勝田さんの杜仲茶は、苦味も少なく、またそれでいて栄養成分も豊富に備えた、美味しい健康茶です。
熊本の大地の力をたっぷり吸いこんだ、美味しい杜仲茶、皆さんもお試しくださいませ。

活き活きとした杜仲の新芽
△活き活きとした杜仲の新芽

杜仲の説明をしてくれる勝田さん
△杜仲の説明をしてくれる勝田さん

標高600mに存在する杜仲畑
△標高600mに存在する杜仲畑

瀬戸谷もみじ 生産者/杵塚 敏明 氏

2011年3月21日

静岡県で「無農薬茶の会」の代表をされている杵塚氏は、一代で茶園を広げられ、近隣の農家さん達と協力しながら地元の茶生産文化を守ってらっ しゃいます。

根っからの凝り性である杵塚さんは、台湾のウーロン茶に感動してその製法を学ぶために単身台湾に渡ったり、無農薬の茶にまだ理解が無い時代 から、美味しい無農薬の緑茶を作るために大変な努力をされてきました。

紅茶製造を始められる際も、より本格的な味を求め、スリランカから技師を招き、その指導のもと紅茶製造工場も設計されました。その為、機 材、設備ともに本格的なスリランカ方式で、正直私も日本で見るのは初めてというものばかり。あくまで「我らの会の主役は緑茶」という考えでは ありますが、「ついで
に作る」という発想ではなく、作るからには本格的な物を、という考え、そしてその意識の高さには頭がさがります。
2階の萎凋室。日本ではほとんどおめにかかれない代物
△2階の萎凋室。日本ではほとんどおめにかかれない代物。

大量の茶葉を機械で効率よく攪拌
△大量の茶葉を機械で効率よく攪拌

私もお手伝い中。揉んだ葉を発酵室へ。
△私もお手伝い中。揉んだ葉を発酵室へ。

現在は、主に娘の歩さんが紅茶の製造を担当されています。歩さんもお父さんに負けずの凝り性で、ロット毎にすべてのデータを記録し、後の ティスティング結果を参考にしながら、日々研究を繰り返されています。

紅茶製造監督の歩さん。
△紅茶製造監督の歩さん。早朝から製造が終わる伴まで、常に真剣な眼差しです。

農業の研修に来た大学生達。
△農業の研修に来た大学生達。田舎道の運転には気をつけよう。

美味しい飲み方

やぶきたを使った紅茶は、基本的に「滋納」タイプが多いですが、瀬戸屋もみじは望欄タイプに近いので、あまり長く蒸らしすぎても旨みは出てき ません。ただ、あまり短いのも良さが引き出せませんので、3~4分がちょうど良いようです。

南薩摩紅茶 生産者/後藤 望 氏

2011年3月21日

鹿児島県の南端に近い、南大隅町に住む後藤さんは、元々神奈川県の出身。
自然食に関わる交流の中で、鹿児島の地に惹かれ、家族で引越しされて農 業を始め16年。ピーマン農家として生計を立てながら、6人の子供さんを育てられてきましたが、自分の納得する農業がしたい、と2006年よ り紅茶の生産に挑戦され始めました。

後藤さん自慢のピーマン
△後藤さん自慢のピーマン

化学農薬を使用せず、丹念に育てられた紅茶品種の畑は、最初台風などの被害にあいながらも、元気に育ち始め、現在では立派な紅茶茶園と呼べ る規模になってきました。

後藤さん夫妻。力を合わせて茶園を切り開いてこられました
△後藤さん夫妻。力を合わせて茶園を切り開いてこられました。

製茶器具も最初は何も無い状態から、少しずつ機材を揃えて生産体制を整えられてきました。私も2008年より微力ながらご協力させて頂いて いました。
最初は皆で手もみし、ごく僅かな量の紅茶を作りながら、紅茶の概念を共に学びあってきました。

2009年の畑
△2009年の畑

2010年には共に台湾の紅茶工場に行き、紅茶製造を学ぶなど、農業に対する熱意に関しては非常に高い意識をもってらっしゃる方です。
共に協力しながら、さらに美味しい紅茶を作ろうと、毎年研究を重ねております。
2010年の畑。立派になってきました。
△2010年の畑。立派になってきました。

去年製造のお手伝いに伺った時は、ちょうど卵から孵ったばかりの海亀の放流が行われていました。私の手の中にある時から、常に前へ前へ、と進 み続ける力強さに感動。
私も負けじと美味しい紅茶の為に前進あるのみ、と感じた一日でした。

蒸気を使って効率よく発酵
△蒸気を使って効率よく発酵
手摘みして頂いた皆様とお食事
△手摘みして頂いた皆様とお食事

大根占の雄大な海
△根占の雄大な海

海亀の放流
△海がめの放流

逞しく育て!
△逞しく育て!

雄大な自然の中で育つ南薩摩の紅茶。さらにグレードアップを続けます。

南国の光で逞しく育つ茶葉
△南国の光で逞しく育つ茶葉

美味しい入れ方

紅茶品種「べにふうき」が中心ですが、しっかりと発酵を進めたタイプの紅茶ですので、中途半端に抽出すると良さが引き出されず、青臭みを感 じることがあります。

しっかりと5分以上蒸らすことでコクのある味わいを楽しめます。現地では皆さん芋焼酎を割る時に紅茶で割ってらっしゃいました。何でも悪酔 いしなくなるとか。確かに後藤さんの紅茶は芋焼酎と相性が良いので、焼酎の紅茶割り用の紅茶としても非常におすすめです。

月ヶ瀬紅茶 生産者/岩田 文明 氏

2010年10月29日

奈良県奈良市の月ヶ瀬村で、長年無農薬有機栽培を続けて来られた代々のお茶生産農家。現在は岩田家17代目文明氏が主となって高品質な無農薬茶を生産されています。
文明氏はびっくりするほど勉強家で熱心な茶生産者、そして故郷を愛する方で、私が訪れた時も地元の名所からお茶事情、歴史まで丁寧にご案内を頂きました。その中でよい紅茶とは、今後の方向性、戦略など忌憚無く意見を交し合った事を覚えています。

単に生産するだけではなく、様々な品種の育成、生産過程の研究、製茶機の導入、他の生産者との交流など活動の幅は広く、そして濃密。将来国産紅茶の品質を高めていく上で欠かせない人材になることは間違いの無い方を思っています。

今年も手摘み紅茶、熟年紅茶、品種別な細かなコンセプトに基づいた作り分けをされ、こちらとしても大変勉強になっております。

当然ながら緑茶も大変高品質。特にほうじ茶に関しては私の仲間内で「最も美味いほうじ茶」と大好評。
現在うわさになっているアレルギー対策茶「べにふうき」も非常に安価で販売されています。はっきりいって、現在の価格は以上な高価になってますので、良心的なところで買いましょう。


>>月ヶ瀬紅茶の産地を訪ねる

奥八女紅茶 生産者/栗原一家

2010年10月29日

福岡県奥八女で高品質の茶を生産する栗原製茶。その栗原製茶を担うお二人、悠次氏と昭夫氏。
兄の悠次氏は農業経済学の農学博士であり、日本茶インストラクターでもある茶の伝道師。主に製品の規格、販売、そして食育に力を注いで正しい茶と農業のあり方を研究なされています。
次男の昭夫氏は生産を担当。その実力は競合ひしめく福岡の手揉み茶選手権で4連覇の偉業を達成し、全国大会でも上位に入賞する屈指の実力派。
当然、生産だけではなく茶畑の管理、ティスティング、農法までさらに研鑽を続ける福岡県の明日を担う若者であります。
冷静そうな風貌とは裏腹に、青年の主張という弁論大会で九州大会で優勝、全国大会では優秀賞に輝く、熱~い情熱を持っている方でもあります。

その他、お父さんの吉平さんも数々の賞に輝いた実力派。今は二人の頼もしい息子さん達に仕事は任せつつも、お茶の研究、そして地元の活性に力を注いでいる、「みんなのお父さん」でもあります。


栗原製茶のお茶はこちらからどうぞ↓
http://www.e-yamecha.com/

鳥取紅茶 生産者/陣構茶業組合

2010年10月29日

鳥取県陣構で作られる無農薬紅茶。
プロデューサーの藤原氏は「地紅茶」の発展の為全国を奔走中の元気な人。
お酒好きでもある藤原さんの理想の紅茶は「すーっと入っ てくる岩清水の様な紅茶」。その通り、癖や渋みが無く自己主張の少ない味わいで、 繊細な日本料理とのペアリングにぴったり。ここ数年でぐんぐんと質を高くしてき た、陣構茶業組合さんの努力の成果が凝縮しています。

きつき紅茶 生産者/阿南 康児 氏

2010年10月28日

大分県きつき市で紅茶用品種を使って数種類の紅茶を製造。 桜や梅の花をブレンドしたやさしい風味の花紅茶もある。
紅茶専門店との交流も多く、優しい人辺りなのでお話して楽しい。 研究熱心でもあるので現在でもさまざまな品種、工程で紅茶作りを研究中。
これからどんな紅茶で私たちを驚かせてくれるのか? 日本紅茶の新たな可能性を感じさせてくれる気がします。


>> きつき紅茶の産地を訪ねる

伊勢紅茶 生産者/川戸 利之 氏

2010年10月28日

三重県にて紅茶製造をされている川戸利之さん。先代の川戸勉氏は品種の改良、土壌の形成、独自の特許製法による製造技術と、十数年にわたる努力によって伊勢紅茶の土台づくりに邁進された方で、その功績が認められ昭和36年黄綬褒章を賜られました。
現在利之氏もその後を継がれ、完全無農薬栽培を通し高品位の紅茶を作ってらっしゃいます。特に「渋みが無くまろやかな口当たり」が常識となっている日本紅茶のなかで、このような外国産に負けない力強さを持った紅茶を作ってらっしゃるということは日本紅茶がまだ様々な可能性秘めていることを教えて頂いているようで非常に心強く思います。

静岡まりこ紅茶 生産者/村松 二六 氏

2010年10月28日

国産紅茶のパイオニア的存在として名高い村松二六氏の紅茶。アッサム種を発酵させ、香り高い良質の紅茶を生産されています。静岡県丸子市で生産されることからこの名が付きました。


>>まりこ紅茶を訪ねて

天の紅茶 生産者/天野 茂 氏

2010年10月28日

水俣市から環境マイスターの称号を認可されている、いわば環境のプロフェッショナルです。
現在、水俣市はかつての水俣病の教訓を活かし、特に環境保全に力を入れているモデルシティとして注目されています。 そして部門別に環境マイスターを指名し、市民、産業界に様々教育、啓蒙を進めています。
天野氏はお茶部門でのマイスターとして、自然な環境の中でお茶づくりをなさっています。


天の紅茶の産地を訪ねる