熊本県芦北町で無農薬で杜仲茶を作り続けて一筋33年という、勝田さんの畑へお邪魔してきました。

なぜ杜仲茶を始めようと思ったのか

勝田さんは19歳から全国を回り、色んな仕事を経験されました。
その中で北海道で勤めた酪農での経験に影響され、自分も広大な土地で酪農をやりたい!と強く思うようになります。

20代の時に九州で広大な土地を買い、谷間の部分を埋め立てて平たくし、そこで営農を始められました。
「そこが良くなかったのです。本来山だった土地を無理に平地にしたため、水の流れが変わってしまい、下流で土砂崩れが起こっていまいました。自然に反することをやってしまったのです。結果、多くの人にご迷惑をおかけしてしまいました」

かつて、勝田さんが牧場を開いた土地。
△かつて、勝田さんが牧場を開いた土地。

その経験から、より自然に近い農業をめざし勉強して再起を図っているところに杜仲の木と出会います。

「人間の歴史よりはるか昔から存在し、大きな環境の変化にも対応しながら生き続けてきた杜仲に心を惹かれました
より自然を活かした、ものをこの地で始めたい、と思ったところでしたので、この力強い杜仲は魅力的でした。当然農薬も与えず、肥料も最低限にしか与えません。かつて私がやってしまった事の、真逆をやるように心がけています」

長野県の先生から杜仲の育て方なども教えてもらい、始めたのが30歳のころ。
それから33年、無農薬の杜仲茶一筋に生きてこられました。

私が畑に伺ったのは、ちょうど大型台風が九州に猛威を振るって一ヶ月も経っていないころ。まだ山のあちこちには台風の爪痕が残っていました。

杜仲の葉も、かなりの数が風で飛ばされてしまったとのこと。それでも、青々とした葉を沢山つけた杜仲の樹が元気に育っていました。
畑では、3000本弱の杜仲の樹が植えてあるそうです。

収穫の時期は10月ごろ。手で摘み、天日で乾燥させた後、最後に専用のドラム式乾燥機で乾燥させ、
自宅の土蔵で熟成させます。この土蔵は年間ほとんど温度変化がなく、理想の保存状態を保てるようです。
実際私が訪れた時も、土蔵の中からは非常に涼しい風が吹いてきました。

ひんやりとした土蔵
△ひんやりとした土蔵

熟成期間は3年から5年。5年でほぼ完熟の状態となり、丸釜を使い、直火で火入れをいていきます。やはり熟成させることによって味はまろやかになり、深みがでるということ。
栄養成分も、失活することなく、豊富に保たれています。

火入れ用の丸釜
△火入れ用の丸釜

杜仲茶を育てて30年以上、楽しかったですか?

という私の質問に、

「楽しいというよりも、杜仲そのものが自分の目標みたいなもんでした。人間が誕生する遥か昔からあって、色んな自然環境の変化の中でも生き延びてきた。」
「そして、調べれば調べるほど、人間の体にも良い働きを沢山持っていてくれる。
時代が変わっても、人間が求めるもの、必要なものって変わらないと思うんです。そんな杜仲茶を自分の師と思って生きてきました」
「まだ沢山販売出来る、というようにはなれていませんが、自分が本当に杜仲の樹みたいに、力強く、自然のままになれた時にそうなるんじゃないか、と思ってますよ」

一つの作物にこれほど自分自身を重ね、一途に取り組んでらっしゃる人はそういないのかもしれません。

勝田さんの杜仲茶は、苦味も少なく、またそれでいて栄養成分も豊富に備えた、美味しい健康茶です。
熊本の大地の力をたっぷり吸いこんだ、美味しい杜仲茶、皆さんもお試しくださいませ。

活き活きとした杜仲の新芽
△活き活きとした杜仲の新芽

杜仲の説明をしてくれる勝田さん
△杜仲の説明をしてくれる勝田さん

標高600mに存在する杜仲畑
△標高600mに存在する杜仲畑